ラーメンとは
ラーメンとは中華麺とスープを主体として、様々な具材を組み合わせる麺料理です。
また、「出汁」「タレ」「香味油」の3要素で構成されるスープ料理としての側面も持ち合わせています。
ここでは、スープについてまとめいきます。
①出汁
「だし」とは、食材を煮出した後に固形分を取り除いた液体部分のことです。だしはラーメンのベースとなり「うま味」という部分で重要な要素を持ちます。
出汁の種類
白湯(パイタン)出汁
白く濁った色が特徴。
豚骨や鶏骨などの素材を使って、強火で沸騰させながら骨が粉々になるまで煮込んで作ります。
清湯(チンタン)出汁
濁りがなく透き通った出汁のこと。白湯出汁より、すっきりとした風味と味を持つ。
煮立ち過ぎないよう弱火で、素材の味が自然に出るように煮詰めて作ります。
出汁に使われる素材
豚骨
スープの出汁をとるのに、もっとも一般的に使われる材料です。旨味成分は、イノシン酸を多く含んでいます。鶏ガラに比べてコラーゲンが多いのが特徴で、ゼラチン質が多量に出ます。そのため、強いコクが出てしっかりとしたスープになりますが、その分独特の臭みが発生します。また、長時間煮込むと、ゼラチン質が乳化剤の役割を果たして白濁したスープに変化します。豚骨ラーメンというと、一般的には白濁させて白湯出汁として使うところが多いです。なお、豚骨にはゲンコツ、アバラ、背骨、豚足、豚頭と5種類ありますが、それぞれ部位によって骨髄の出方が異なります。
鶏ガラ
鶏ガラはグルタミン酸を多く含んでいます。豚骨と比べてコラーゲンが少ないので、長時間煮込んでも白濁せず澄んだスープに仕上がります。また、丸鶏を使うことで、更に濁りのない濃厚な出汁がとれます。鶏ガラの足の部分を「モミジ」と言いますが、この部分を使うことによって上品であっさりとしたスープになります。
節類(和風だし)
一般的には、カツオ節と昆布など複数の材料を組み合わせて出汁を作ります。カツオ節はイノシン酸を多く含んでいるので、昆布などのグルタミン酸を含む材料と合わせることで、一層旨味が増します。スープの材料に使われるのは、以下の食材などです。
- イワシ
- アゴ
- サンマ
- アジ
- サバ節
- かつお節
- 昆布
- 干し椎茸
- ホタテ
香味野菜
香味野菜は、豚骨などの臭い消しとして使用されます。主な食材は以下の通りで、玉ねぎ・ニンニク・生姜などが代表的です。
- 玉ねぎ
- 人参
- 長ネギ
- セロリ
- じゃがいも
- りんご
- キャベツ
- ニンニク
- 生姜
- 柚子
うま味の相乗効果
うま味物質は単独で使うよりも、グルタミン酸とイノシン酸、グアニル酸を組み合わせることで、うま味が飛躍的に強くなることが知られています。
一般的には、以下のように組みわせることが多いです。
豚骨スープ(イノシン酸)+ 鶏ガラスープ(グルタミン酸)
豚骨スープ(イノシン酸)+ 魚介系スープ(イノシン酸)+ 醤油ダレ(グルタミン酸)
②タレ
出来上がった「出汁」を「タレ」で味付けすることにより、好みのスープに仕上げます。
スープでは、この「タレ」が一番重要とされています。
タレの種類
醤油
醤油には5つの種類があります(JAS規格)。
ラーメンのタレとして使用する際は、ガラスープの風味を壊さない点で淡口醤油が一般的に好まれます。
- 淡口醤油 生臭さを消すメチオノールが少なく、スープの持ち味を生かしたいときに使用。
- 濃口醤油 淡口醤油に比べてエキス分が多く、香りが強い。
- 溜まり醤油 大豆が主原料であり、通常の醤油より濃厚で大豆特有の旨味と香りがある。
- 白醤油 コハク色の透明なしょうゆ。小麦と少量の大豆が原料。風味や色を生かす料理に使用される。
- 再仕込み醤油 濃口醤油に麹を加えて二次発酵させたもの。非常に濃厚な味になり香りも重い。
塩
塩味はそのシンプルさ故、素材の味がダイレクトにスープに反映されます。
そのため、作るのがもっとも難しいと言われています。
味噌
味噌には強烈な風味があるため、淡白なスープだと味噌の個性に負けてしまいます。
そのため、こってりとしたスープと合わせるのが一般的です。
③香味油
ラード
豚の脂を加熱し、溶かして脂肪分を固めたもの。
鶏油(ちーゆ)
鶏ガラの脂肪を過熱して抽出した黄色い脂。鶏特有の香りがする。
マー油
ニンニクをラードなどで揚げて適度に焦がした黒い油。九州・熊本ラーメンで用いられる。
背脂
豚の肩ロースの外側にある脂身のこと。不融和脂肪酸を多く含んでおり、上品な旨味を与える。